トリノ五輪・・・
いわゆる一般論としての『苦戦』である。
メダルが1個も取れていないからである。
勿論、トリノオリンピックのことである。
世界記録保持者が若干のアクシデントに見舞われたり、
元メダリストば、メダル一歩手前のところで失速したり、
やはり元メダリストが、体重が200g足りなかったり・・・
なんとも景気の悪い結果ばかりが目に付くオリンピックである。
新聞のテレビの番組ランでは、
ハーフパイプ女子を 「メダルへの最強軍団」 などと喧伝していたが、
終わってみれば、入賞者もおらず、最も注目されていた選手などは、
かわいそうに負傷のため病院送りであった。
戦前は結構景気のよいことも言っていたのに・・・である。
関係各方面からは、
どうした日本! がんばれ選手たち!
だの、
本来の力を出し切れば・・・
などという、期待の声も聞こえてくるが。
選手たちは、何らかの原因で本来の力を出し切れていないのだろうか。
何かのアクシデントにより、実力を発揮できない環境が出来上がってしまっているのだろうか。
思うに、実は、選手たちは結構力を出しているのではなかろうか?
勿論、開始早々の競技で結果が出なかったので、
その後の選手たちに<プレッシャー>がかかってしまったのは事実かもしれない。
多分、その見方はかなり正しそうである。
かなり正しそうなゆえに、実は、此処に今回の”不振”の原因が隠されていると、私は見ている。
そもそも、何の<プレッシャー>なのか?何故、<プレッシャー>なのか?
やや、論理が飛躍してしまうが、この<プレッシャー>や<不振>そのものを作っているのは、
実は、マスコミであると見ている。
すなわち、もっとも顕著な例は、先の女子ハーフパイプである。
秋のワールドカップで日本女子が上位を独占したために、
今回のオリンピックにおいて
いわゆる 『メダルへの最強軍団』 と、言うことのなったのであろうが、
実際には、このオリンピックで上位を占めたアメリカの選手たちは、
ほとんどがワールドカップには出ていなかったそうである。
その上で、日本人の中で最上位の選手は、そのインタビューにおいて、
「力は出し切れましたが、ヤハリ、完敗でした。」
という、言葉を発しているのである。
選手にしてみれば、たとえ力を出し切ったとしても、
アメリカの選手に本来の力を出されてしまえば、
『完敗』してしまうのはハナからわかっていたことだったのであろう、と思われる。
現状を正確に把握せずに、期待や希望のみが先行してしまう・・・・・
または、もっとうがった見方をすれば、
ひたすら視聴率を確保するために、
『実体の伴わない期待』を記事にしてしまう・・・・
近来、よく見られる傾向ではある。
実態から離れて、過度に評価されたり、期待されたり・・・
こんなことが、まかり通っているのが、この国の現状である。
<実態から離れて、過度に評価されたり、期待されたり・・・>
これなど、行き着くところは、相場の世界ならば、いわゆる 『風説の流布』 そのものである。
ライブドア事件もこの見地から説明できるような気さえしてくるのである。
かかる事態が、このまま放置され、マスコミ及び、それを取り巻く日本国民が、
何らかの反省をしないとすれば・・・・
これでは選手たちが可哀相な気もするのであるが・・・